エッセイ『職業としての小説家』概要と感想
村上春樹さんの小説は何冊か読んだこともあり、自分の中に「小説家になりたいなあ…」という気持ちがゼロではないことから手を伸ばした本、『職業としての小説家』を読みました。
著者:村上春樹
この著者の他の作品:ノルウェイの森、1Q84、騎士団長殺し、海辺のカフカ、羊をめぐる冒険 など
概要と感想を書いていきます。
作品の内容について
この本は、2015年に発行された村上春樹による自伝的エッセイです。
”村上春樹と小説というもの” や "村上春樹と小説家というもの" について書かれています。
小説家になったきっかけ、小説の書き方(あくまでも彼の)、小説内で使われている技法、彼の思う文学という世界について、彼の生き方
などが12章に分かれて書かれています。
感想(以下ネタバレあり、かも)
率直な感想を述べますと、この本を読んで「小説が書きたくなりました!」
小説を書くということは、簡単なことじゃないのはわたしも分かっています(笑)
村上春樹さんの作品は、1Q84と海辺のカフカしか読んだことがありません。
それでも、それらの作品を読んでいるときは時間がすぎているのを忘れていましたし、純粋にその本の世界に入り込んでいました。つまりはわたしはとても彼の作品が好きなのだと思います。
彼の独特な言葉の使いまわしや、登場人物がどのようにして彼の中から生まれているのかを垣間見ることができました。それを知ったからと言って、作品の良さが半減するわけでもなく、彼という人物と彼が持っている地図(彼の作る世界)が結びついたような感覚でした。
この本の中では、100人作家がいれば書き方は100通りある。と言われていました。確かにそうだと思います。しかしすべての始まりは模倣から、というようになにかのきっかけがないと始められないこともあります。わたしにとってこの本は新たな一歩のためのきっかけになったような気がします。
わたしはこの本を読んで確かな実感として小説を書きたいという気持ちが芽生えましたし、その活力はわたしの生活にとって、人生にとって意味を持つことになると思います。
そしてそれと並行して、まだ手を付けたことのない(たくさんある)村上作品に目を通したいと強く感じました。
そしてほかの作品に目を通したのちにこの本を読めば、また新たな発見をすることができるのではないかと感じました。